商標法違反による逮捕

a0002_000879 商標法違反(関税法違反)でご家族が逮捕された方は大変驚いておられるかと思います。いったいこの先どうなるのか、逮捕された本人と会えるのかなどの不安を抱えて、弁護士への相談を考えておられる方がほとんどかと思います。自宅に捜査員が沢山入ってきてびっくりされている方もいるかと思います。また、自分が逮捕されるのではないかとお考えの方や弁護士に弁護を依頼したいとお考えの方がこの頁を読んでおられると思います。

 以下、商標法違反の逮捕や以後に続く勾留、そして保釈に関することを弁護士としてご説明致します

 そもそも商標法違反ってなんなんだ、逮捕されるような罪なのか、などの疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。しかし、商標法違反の罪は最大懲役10年の罪であり軽い罪ではない点は認識する必要があります。知的財産権侵害(輸入)を理由とする関税法違反も同様です。

 簡単に言えば、その多くは偽ブランド品を輸入・販売していたことや販売のために所持していたことを理由とする罪です。自分としては偽ブランド品を販売していた認識がないから商標法違反で逮捕されるのは不当であると考えておられる方もいらっしゃるかと思いますし、自らの罪を認めつつ逮捕だけは避けたいと考えておられる方もいらっしゃると思います。

 商標法違反事件の手続としましては、逮捕後は勾留手続きへと進み、被疑者は身体拘束された状態が続きます。また、正式に起訴されれば、何もしなければさらに身体拘束が続くことになります。正式起訴後においては、保釈請求が認められれば身体拘束から解放されることになります。

 詳細は以下で説明させていただきますが、刑事事件の弁護士による弁護等に関するご連絡は、お問い合わせフォームからお願い致します。

商標法違反の逮捕手続

商標法違反捜索 刑事事件における逮捕には現行犯、緊急、通常と3種類の逮捕がありますが、商標法違反事件では通常逮捕が多く、捜査機関が事前に裁判所から発布を受けた逮捕状をもってやってきます。商標法違反の逮捕を避けるために弁護士による適切な活動を展開する必要があります。

 逮捕を含め商標法違反に関する刑事手続の概要などは別のページにてご確認いただければある程度イメージできるかとは思いますが、逮捕は、裁判所の発する令状に基づいて捜査機関が被疑者を強制的に身体拘束する手続であり、逮捕されることを拒否することはできません。裁判所は、事前に捜査機関側から提出された証拠に基づいて、被疑者の逮捕の可否を判断していますが、そこには被疑者側の言い分は通常記載されていませんので(事前に任意捜査を受けている場合には被疑者の調書等が含まれることもあります。)、ある意味、一方的な証拠に基づいて判断することになります。

 もし商標法違反による逮捕が不当であれば、後述のとおり弁護士を選任した上で、裁判所で争うことが必要となります。但し、商標法違反の事実自体を争う場合であっても被疑者として逮捕されている状況にあり、外部との連絡が取れず、また、弁護士を選任して争う場合でも時間的にも切迫し十分に準備ができないこともあります。

 そのため、逮捕の可能性があるようなケースでは事前に弁護士と打ち合わせをして自己防御を図る必要があります。

商標法違反で逮捕された方のご家族・関係者の方へ

 商標法違反で逮捕された方のご親族の方からは、ご本人がなされていたことが商標法違反に該当するか否か、よく質問を受けるのですが、弁護士としてはこの段階ではお答えすることはできません。

 あくまで逮捕されているご本人に接見(面会)して事情を聞いて確認するほかありません。事案をご家族が詳細に把握されていれば、今までの経験に基づいてある程度の話はすることができるのですが、ご相談に来られたご家族が詳細まで把握されていないケースはあまり多くありません。

 速やかに弁護士を選任した上で商標法違反で逮捕されている警察署に接見に行き、事情を確認し、その対応を検討する必要があります。また、弁護士を選任し被疑者の健康状態等も確認することも必要となります。

 また、会社組織で商標法違反に関連する商品の販売等しているようなケースでは、代表者が商標法違反で逮捕されてしまえば会社の存続の問題も生じます。代表者がほぼすべてを取り仕切っているような会社では、逮捕による代表者不在は会社存続を危うくすることにもなります。この場合も弁護士を選任して代表者と連絡を取り、早期に状況を把握し、事業を守る必要もあります。

 商標法違反の逮捕段階でまず大切なのは、ご本人のおかれている状況を正確に把握し、それに対して迅速かつ適切に対応を取ることです。逮捕された後勾留されるまでの間(約2~3日)は、ご家族は本人と会うことはほぼできません。このときに本人と話ができるのは弁護士だけとなります。

商標法違反の逮捕に対する対応

 前述のとおり、商標法違反で逮捕された場合には早期に弁護士を選任する必要があります。また、逮捕前であっても逮捕への防御のために弁護士選任が重要となります。しかも、逮捕直前直後の段階の弁護士接見は重要であり大きな意味があります。

 具体的に言うと、弁護士からの商標法違反で逮捕されている被疑者に面会の申し入れがあると警察は原則として受け入れます。

 早期接見による早期釈放、すなわち逮捕後勾留前に弁護人がつくことにより、勾留されることなく釈放されるような活動が可能となります。また、商標法違反の罪で勾留された後も、検察官による接見禁止がついてしまえば、家族であってもさらにご本人に会うことはできません。共同で商標法違反に関する犯罪(組織的に販売しているケース等)を行っているようなケースでは接見禁止が発動されることがあります。この接見禁止の解除や家族の面会を認めるべく一部解除を求めて弁護士が活動することになります。

 また、勾留中に接見禁止が発動していない場合、家族や関係者も面会することは可能となりますが、時間は15分や20分程度に制限され、しかも面会に捜査機関側が立ち会い、商標法違反に関することは話すことはできません。

 弁護士を選任していれば、捜査機関側の立ち会いはなく時間制限もありませんので、しっかりと商標法違反の防御活動を展開することができます。また、勾留の可否を争うだけでなく、場合によっては勾留の延長を阻止する活動を行います。もっとも、商標法違反の場合、事件が複雑なケースが多いため勾留が延長され、20日勾留となるケースが多いです。

 このように被疑者となって商標法違反で逮捕されてしまえば、捜査段階では最大23日間身体を拘束されてしまう可能性があり、さらに正式に起訴された場合、保釈が認められない限り、さらに身体拘束は続くことになりますので、早期の保釈の準備も必要となります。保釈は自動的になされるものではなく、保釈すべき理由を裁判官に説明する必要があります。

 弁護士は、この身体拘束からの解放を助力するための手続は勿論のこと、逮捕され身体拘束されたご本人と家族との間を繋ぎ、さらに、ご本人は精神的に相当参っていますのでそれを励ます役割もあります。

商標法違反による勾留

 商標法違反において、逮捕に引き続き、身体を拘束する必要があると判断した場合、勾留請求が検察官から行われます。勾留するには、以下の要件が必要となります。

 まず前提として適正な手続がなされていること、たとえば、逮捕から勾留までには時間制限があり(最大72時間)、この時間制限に違反しているような場合には勾留は認められません。次に、勾留の理由があるか、具体的には、定まった住居を有しないとき、罪証隠滅のおそれがあると考えられるとき、逃亡するおそれがある、のいずれかに該当すれば勾留の理由があるとされます。さらに諸般の事情を総合考慮し、勾留の必要性を求められ、これらが揃うと勾留されてしまいます。

 商標法違反の刑事弁護の捜査段階において、捜査機関側と弁護士との間の一つの攻防として、逮捕から勾留への移行があります。

 商標法違反で逮捕された後、検察は引き続き勾留するか否かを決定し、勾留すると決めた場合には勾留請求を裁判所に出すことになります。裁判所は、勾留の適否を判断するのですが、検察官が勾留してきた事案の大半はそのまま認め勾留を許可するのが実情です。商標法違反の場合、捜査機関側の提出証拠は膨大な量となることが多いです。

 弁護士としては、まず裁判所に対して、勾留請求を却下するように求めることができます。実際に勾留を決定する裁判官に対して、勾留却下の意見書を提出し、また、裁判官と面談することにより、検察官の勾留請求が不当であることを説明し、商標法違反事実での勾留請求を却下するよう求めます。裁判官は弁護士の意見を聞いた上で、商標法違反の勾留請求を認めるのか却下するのか判断することになります。痴漢事件等では勾留却下は比較的容易に認められており、痴漢を否認しているケースでも弁護士として私自身も勾留却下に成功したこともあります。私が多く弁護士として受任している商標法違反事件においても勾留却下の申し入れはよく行っております。

 裁判官が勾留決定をしてしまった場合でも、引き続き準抗告をすることで対抗することができます。準抗告は、裁判官のした商標法違反の勾留決定が不当であると述べ、3名の別の裁判官に対してその判断を求めることとなります。これで判断が覆れば、勾留が解かれ無事に釈放となります。残念ながら、勾留決定が維持されてしまうと10日間外へ出ることはできませんし、勾留が延長されると20日間出れないということになります。特に商標法違反は勾留延長されることが多く20日コースとなってしまいます。

 この商標法違反の逮捕から勾留へ進むこの段階の弁護が捜査弁護における重要なものです。ただ、この商標法違反による逮捕から勾留までの時間は非常に限られており、時間との勝負という面もあります。弁護士は徹夜して書面を書くことも往々にしてあります。限られた時間しかありませんので被疑者から十分な聞き取りをすることができない場合もあります。商標法違反事件の逮捕前から相談を受けていれば、色々と話が聞けているので、この準備もしっかりできます。そういう意味で事前に弁護士へ相談しておくことは本当に有益です。

 なお、勾留において接見禁止がついてしまうと、弁護士以外の外部の者と会うこともできません。商標法違反事件でも共犯事件の場合、接見禁止がよくつきます。この場合、弁護士は、接見禁止解除申立を行ったり、せめて家族との接見を認めるよう接見禁止の一部解除申立を行うことが多いです。また、勾留延長に対しては準抗告等を行うことも可能です。 

商標法違反の保釈

 保釈とは、逮捕勾留された後に正式に起訴され、引き続き勾留されている被告人の身体解放をする弁護士による手続きです。

 商法法違反の罪において保釈が認められるためには、様々な要件があります。本来、被告人は商標法違反の判決が確定するまでは無罪推定されており身体拘束されることは不当であり、さらに、被告人の公判での防御権の確保の点からも原則として保釈が認めなければならないものです。

 しかしながら、現実には、商標法違反の事実を否認しているような場合、罪証隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとして保釈がなかなか認められないというのが実情です。罪を認めているような場合であっても、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれがないことを中心に保釈不許可要件に該当しないこと、保釈することが相当であること、保釈しなければならない事情を記した書面を提出し、早期の保釈を目指すことになりますが認められるかはケースバイケースです。

 これらの保釈の手続は商標法違反の公判を担当する弁護士によって行われますが、捜査段階から受任しているようなケースでは、正式起訴が予想されるような場合には事前に準備しておき、起訴後即日保釈請求することも多いです。そのような観点から言えば、捜査段階から公判も見据えた弁護活動ができる弁護士を選任しておくことは有益であり、早期の身体拘束からの解放につながります。

 商標法違反の保釈についても、商標法違反の罪を否認していれば即時の保釈はほぼ認められず、罪を認めている事件で追起訴等がないような事件においては、弁護士が商標法違反に関して罪障隠滅のおそれがない点や保釈する必要性をしっかり記載した書面を作成・提出し、また裁判官との面接等をすることで比較的早期に保釈が認められる傾向があります。

 当事務所の弁護士は、この保釈の書面を作成するために繰り返し被疑者と接見し、商標法違反の罪の被疑者にとって有利となる事情をしっかり把握し、保釈請求に繋げる活動をします。なお、保釈が認められる場合には、保釈保証金を納付する必要があり、この金額は、被告人の収入、罪名、犯罪の態様等によって異なりますが、保釈の際に課された条件を順守している限り最終的に全額返還されます。また、家族で商標法違反の罪を犯し、家族複数人逮捕されているようなケースでは、商標法違反の罪における保釈の条件が色々と制約が入る場合もあります。

  商標法違反の保釈については弁護士へご相談ください。

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